ライトノベル レビュー

スーパーダッシュ文庫: 2011年2月 新刊

とわいすあっぷっ!

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嫁は勇者で愛人は魔王!?
主人公・悟に秘められた力を巡って、相容れぬ二人が恋と刃の火花を散らすラブバトル!
一族の無用息子と蔑まれていた明石悟に突如、結婚の話が持ち込まれた。相手は悪名高い凶暴女のサワノリョーコ。だが、目の前に現れたのは類人猿のメスではなく、可憐でクールな少女であった! さらに悟の前に金髪ツインテールの少女・アリスが現れる。しかし彼女はとんでもない秘密を抱えており、悟の身体だけが目的だと笑顔でのたまうのであった――。悟に秘められた力を巡って、相容れぬ二人が恋と刃の火花を散らすラブバトル開始!

 旅館澤乃、という紋の入った浴衣をアリスは着ているが、着付けが分からないのか、まるでナイトガウンを羽織るように緩く袷を閉じて帯を結んでいる。
 そんな緩い着方だと、喉元からお臍の上まで広く魅惑のVゾーンが広がってしまい、おまけに風呂上がりの湯気の立つ桜色の肌がデンジャラスな色っぽさを――。
 願わくばおっぱいとか大きければ、もっと凹凸の隙間とか出来て妖艶なむっはーんな色気があるのだけど、ぺたんこなアリスは逆に痛々しく初々しい魅力がある。
 だめだ、黙って観察しいると不埒な考えが頭の中を占領する!
「あんたも埃まみれじゃない、こんな所で黄昏れてないでさっさと身体を綺麗にして来なさい、まるで難民かななにかみたいよ?」
「あ、アリスってガイジンさんなのに日本語上手……だよね?」
「へ? そんなの人間の言葉なんか何とでもなるものよ、って……あんたなに見てるの?」
 間を繋ごうとした会話を遮って、アリスが腰を屈めて僕をじろじろと観察している。目の遣りどころの困る格好のアリスが、部屋の中に踏み寄ってくる。
 石鹸に混じった甘い香りに、僕は意味無く恐怖を覚えて畳の上を後ずる。アリスは上半身を屈め、僕の顔を見つめ――ああ、胸元どころか足の隙間まで浴衣の間から覗けそうな!
 細面柳腰のアリスにそんな事をされると、いろいろ女の子に妄想しちゃう一男子としては心臓と下半身に悪い。僕の焦りを察したのかアリスの唇が、性悪な薄笑いを浮かべる。
「ふぅん、なるほど、男の子だからねえあんたも、ふんふん?」
「ご、ごめんなさいエロい目で見てしまいました……」

運命は変えられる。

気持ちを近づけるユウとアレット。
しかしそれはカティアに距離を感じさせることに。
守ると誓った少年は少女に何を伝えるのか。
彼方の星で、恋と友情が交差する。
人造人間としてその力を狙われる少女・カティアを守ることを決意したユウ。
自らも失われた三つの<換象>である<改変>の能力者であることや、 精神の裡に宿る人格・チョールトの存在などの秘密を抱えながら学園生活を送る彼は、 生徒会長のアレットとの訓練を通じ、実力を伸ばしていた。
これに伴って無自覚ではあるもののアレットとの仲も接近する。
だがその様子を見たカティアは特異な存在である自分に引け目を感じ、 ユウを避けるようになってしまう。
そんな中、カティア捕縛の密命が下され、精兵中の精兵「驃騎兵(ユサール)」が動き始める。
さらにはカティアを保護するグロリアにもユウの秘密が明らかになって?
はるかかなたの物語第二幕、少年は誓いを守れるのか…!?

「でしたらこうすればいいのですよ、生徒マミヤ」
 グロリアはユウの空いている手をおもむろに握った。初めて触れた物理教師の手は柔らかくてひんやりしていた。
「どうですか、生徒マミヤ。これで『教師と先輩に引率される一年生の図』が完成しましたよ?誰も校則違反だとは思わないでしょう」
 いいえ、重度の校則違反であると愚考いたします。ユウは心の中で反論した。客観的に見れば「捕まって連行される宇宙人の図」に近いのだが、人目を引く絵面なのは疑うべくもない。ほかの生徒が今はいないとはいえ、目撃されたら大変な気がして顔色が青くなる。
 なのにアレットの方はアレットの方で、
「名案ですわ、教師レーナー」
 などと向日葵の微笑みを浮かべていた。どうも偽装工作が完璧になったと本気で信じているらしい。

テンプテーション・クラウン

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「貴方を護りたい。......私を、貴方の傍にいさせてほしい」
少女の誓いが少年の世界を変えた。
あなたを魅惑する物語が始まる。
選定者。それはこの世界に墜ちた神や悪魔をその身に宿し、力を行使する者。
高校生・アキトはある日、悪魔・ゼファの力を得る。
ゼファの力はとても弱く、密やかなものだったが、アキトに劇的な変化をもたらすことに。
その力"魅惑"は最高の選定者・『王冠』の名を冠される美少女・ルヴィの心を虜にしてしまい、 さらにはルヴィの変化を良く思わずアキトに接触する『王冠』彩姫にまでにも影響が及ぶ。
アキトはどうにか力を解除して、現状を正常化しようとするのだが、 なし崩し的に少女たちとの同居生活が始まってしまう。
一方、ルヴィや彩姫に匹敵する"魔王"が街に来訪する。その秘めたる目的は...!?
荘厳なる力が導く物語が、今あなたを魅了する。

「彩姫よ」
 と、アキトに言った。
「これから私の事はそう呼びなさい。親愛を籠めてよ。あと、敬語も禁止。同い年だもの。それって変でしょう? その二つの条件が呑めるのなら、いいわ。止めてあげる」
「......わかったよ、ええと、彩姫」
 おっかなびっくりに名前を呼ぶと、彼女はふわっとした笑顔を浮かべて、
「ふふ、光栄に思いなさい。私を呼び捨てにしていいのなんて、この世界で貴方くらいなんだからね」
 なんて、弾んだ声で言った。
「むぅ」
 と、小さな唸り声が微かに聞こえる。
 ちらりと見ると、ルヴィが難しい顔で唇をやや尖らせていた。
 そして顔をあげた彼女は言った。
「わ、私も、ルヴィと命令するように呼んで欲しい」

剣を手に立ち上がった、英雄たちの戦記ファンタジー!!

モバゲータウンで100万ユーザーが遊ぶ大人気ケータイソーシャルゲームを完全ノベライズ!! 購入者限定の特典プレゼントつき!!
オルガ大陸の覇権を争う魔導帝国ネクロス、アザルト連邦、ルスラン王国の抗争から、その100年後のオルガ解放戦線とマギア真皇国の対立までを描く!! ゲームでは語られなかった大陸の歴史が、ここに明らかになる!!

「英雄になりたい!」はモバゲータウンで大好評運用中のソーシャルゲーム。オルガ大陸で互いに領土を争い合う魔導帝国ネクロス、アザルト連邦、ルスラン王国の3つの国のいずれかに所属し、兵士として出撃! ユーザーのがんばりに応じて戦況が変わり、ゲームのストーリーも変わっていく、新感覚RPG。
「英雄になりたい!」 公式サイト
http://www.kayac.com/service/original/700

「全軍、戦闘準備! 今日の戦いに勝って、この母なる大地を我々の手に取り戻さん!」
 アキレスの命令を、ライブラが大声で復唱した。
 鬨の声が輪のように広がり、戦士たちは思い思いの武器を天に衝き上げた。
 レオニールがゆっくりと腰をあげ、主君アキレスに向き直った。
「では陛下、行って参ります」
「────必ず生きて戻れよ、レオニール」
「はっ!」

美味しいものには、毒がある!?
「このライトノベルがすごい!2011」第5位ランクイン!シリーズ第8作!
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、ひょんなことから未曾有の経済危機に陥り、『変態』の二つ名を体現する日々を送っていた。そんなある日修学旅行で槍水が不在になる間、佐藤は彼女の縄張りであるスーパーを託されることに。しかし槍水と入れ替わるようにHP同好会に烏頭みことと名乗る美人OGが現れ、佐藤は彼女に翻弄されてしまうのだった。烏頭はかつてHP部が解散するに至った原因は槍水にあると告げるのだが――。毒を食わらば皿まで!「狼」の誇りを持って落とし前はきっちりつけろ!庶民派シリアスギャグアクション第8作!

「君は……全部見ていたもんね。最初に私が佐藤の足を打った時から、ずっと。感づいていたのに、どうして佐藤には警告しなかったんだろ? 白粉は優しい。そういうところ、少し仙に似てて……ムカツクなぁ。ねぇ、知ってる? 人ってペットショップで犬を買う時、特に理由がなければ自分に似たの、選ぶ傾向があるんだって。だからよく言う〝犬は飼い主に似る〟っていうのは、当然。……きっと仙も、そうだったんだ。……だから私も、こんなに白粉たちが好きになれないんだ」
「や、槍水先輩と烏頭さんは……」
「アイツが入ってきた時は仲良かった、けど、最後は犬猿の仲。最初は私が仙を、でも、後々は仙の方が私を恨んでる。……仙は被害妄想が激しいから」
 白粉には烏頭が何を言っているのかわからなかった。しかしようやく今、烏頭は本心を見せ始めたことだけは理解できた。彼女は冷たく、囁くように、言葉を続ける。
「HP部を離散させた原因まで、私にあるって言い出しちゃうし。多分仙のことだから白粉たちに教えてないと思うけど……楽しかった私たちのHP部を壊したのは……仙の奴なんだよ」