スーパーダッシュ文庫: 2011年3月 新刊
嘘つき少女と、臆病な少年、そして幼かった悪魔。
切ない想いは最高のクライマックスへ!
衝撃の一夜があけてギクシャクする真尋だが、可憐はいつもどおり!?
そんな中で楽しい夏休みが始まり、真尋たちはキャンプ場でバーベキューに露天風呂にと大はしゃぎ♪
だが、とんでもないハプニングが降りかかる! 彼らの窮地に現れた天使様の正体とは?
そしてその夜、二人きりになった真尋と可憐はついに!?
人間と悪魔と天使の恋物語、感動のクライマックスです!!!
俺は何度も口を開けて閉ざし、歯を食いしばる。握り込んだ拳が震えた。
怖い。言葉を吐き出すことが、想いを伝えることが、怖い。
可憐の両手が俺の頬を挟み込む。あいかわらずヒンヤリとした、病人の冷たい手だった。
「可憐、俺は……」
微笑みながら、泣きながら、可憐は何度もうなずく。ゆっくりと言葉を紡ぎながら。
「うん……、うん……、大丈夫、言って……。……お願い……真尋の言葉を聞かせて……」
そうして俺は、彼女が望まなかった世界へと続く、別れの言葉 を切り出した。
「おまえが、……好きだ……」
どうしようもなく悲しい言葉に、俺の頬を挟んでいた可憐の両手が、静かに下ろされる。吐き出された言葉を戻す術はない。だから苦手なんだ、言葉ってやつは。
「八千草可憐を好きになっちまった。……この先ずっと孤独になってもいい。五年間だけでもかまわない。おまえと、生きたいって……思っちまったんだ……」
レムがくれた勇気は、この言葉を可憐に伝えるためのもの――。
可憐がいくつも涙をこぼしながら、嬉しそうに、悲しい笑みを浮かべた。
「ありがとう……真尋……。わたしも……愛してる……。ずっと、ずっと前から、キミのことが……好きだったんだよ……」
「この女学院は、僕がしきります。……僕の事は、お姉様と呼ぶように」
花邑べにお。
後に関東全域の少女から『お姉様』と呼ばれる男子の物語が、今はじまる!
『花使い』と呼ばれる特殊な能力をもつ少女たちの為の女学院に、
実の姉・しらゆきによって転入させられた少年・花邑べにお。
転入の挨拶で「この女学院を支配る」と宣言させられたことにより、
できたばかりの友達とも不本意ながら争うことになってしまう。
べにおの使う《花》の力は圧倒的だったが、そこにはある“いんちき”が隠されていて?
後に“姫百合姫”の名で関東全域の少女たちから『お姉様』と呼ばれる男子の物語がいま始まる!
最後に姉が左手で僕の髪を整え、ちょいちょいと飾りのヘアピンをつけて出来上がり。
「あのさ……やっぱりやめようよ? こんなの絶対恥ずかしいってば」
「どうして? 恥ずかしい事なんて一つもないわ。ほら、鏡をご覧なさい。制服、とても似合っていてよ」
「何が似合ってるだよ! だいたい、こんなの――」
と、ぶつくさ言いながら姿見を覗くと――僕はそのまま『うわっ!』と驚いた。
「うわあっ!? な……なんなんだよ! なんなんだ、これ!?」
「その『うわっ』は『似合っている』という意味でいいのかしら?」
「い、いや違うよ! そんな筈ないだろ!」
嘘だ。
そんな筈ある。似合ってた。
それでびっくりして声が出たんだ。
(本当に似合ってる……!! おかしいだろ!? 何でこんなに可愛いんだよ!)
鏡に映った自分の姿は、びっくりするほど愛らしい。
最強姉軍団バッドシスターズ出動!!
すっかり〈人魂交換之術〉の状況にも慣れてしまい、一段と頼りなさが増してしまった美千緒。そんな情けない態度に業を煮やしたウテナは、過激な誘惑で弟の男らしさを取り戻そうとする。さらに、あの少女が帰国したり、新たな姉も参戦したりしてきて、ますます美千緒の取り巻く環境はもつれにもつれていく――。より刺激的に、より姉度を上げてお送りする最強の姉小説・第三弾!!
ウテナが目を細めながら、美千緒の頭を挟んだふとももを「ぎゅううう」と左右から締めてきた。
「痛い痛い。お姉ちゃん、頭蓋骨が割れる!」
「これは条件付けの修行よ。あんたのエロ視線を私の下半身へと移動させるために必要な特訓なの。スカートの中に頭を入れなさい」
「え、ええっ? そ、そんな……いやらしすぎるよお姉ちゃん。ここは学校で、もうすぐ始業式が……」
「今日から毎朝三十分、私のスカートの中に顔を埋めなさい。女の子の魅力はおっぱいだけじゃないという真実を悟ってあんたが男として覚醒するまでね」
「そ、そんな~。じょじょじょ女性のかか下半身ってさ、よよよよくは知らないんだけど、なんというかリアルすぎて苦手なんだよ~。ロマンがないよ。現実的すぎるよ。だって赤ちゃんを産む器官なんだぜ? 俺もこういうところを通ってママのお腹の中から産まれたんだなあ、と思うと萎えるっていうか、荘厳で神聖な気持ちになりこそすれエロ魂を炸裂させるのは難しいっていうか。世間ではそういう男のことをマザコンと呼ぶらしいけど俺はぜんぜん恥じてないね! つまりだね、俺はお姉ちゃんのおっぱいさえあればそれでいいんだ!」
「ああもう、あんたの変態紳士美学はいいから。あんたがよくても私がよくないのよ!」
もふっ!
リュウジ あなただけ 愛してる!
引き裂かれた竜司とローズの運命は!?
大ヒットラブ・ファンタジー、クライマックス!!
囚われのローズを取り戻すため、ビースト・マスターの城に挑む竜司たち。
ビアンカ、マルガ、オニキス、アイ、英理子。
心強い仲間たちが、竜司を決戦の地に向かわせるために戦い、傷つき、倒れていく。
ローズのもとにたどり着いた竜司を待っていたのは衰弱し、
その命の火が消えてしまいそうな少女の姿だった!
竜司はローズを救えるのか!?
アニメも大人気の大ヒットラブ・ファンタジー、最高潮!!
ローズがするりと腕をからめてきた。
「あなただけ、愛してる」
「え――?」
竜司は驚いて傍らのローズを見た。
どんな空よりも澄んだ青い瞳が見返してくる。
その言葉は――確かに聞き覚えがあった。
最初にローズと出会った頃のことだ。
もうずいぶん前のことのように思う。
テレビでやっていたドラマの台詞をローズが覚えて、意味もわからず竜司に言ったのだ。
ローズが微笑んだ。
「覚えてる? 私、もうちゃんとこの意味がわかるよ」
この子は変わらない。
最初からずっと惜しげもなく、僕に愛を注いでくれていた。
女神は神殺しとの戦を望む
ついに訪れた女神との再戦の時。
手の内を知られた護堂に勝機はあるのか!?
草薙護堂の前に、再び現れたまつろわぬ女神アテナ。
何でもひとつ言うことをきくという、護堂が以前助けられた際にした約束を盾に再戦を望むアテナは、争いを望まない護堂の拒否を認めない。
ついには祐理やリリアナを石化し、人質にするという強行的な手段で、護堂との戦いを開始する。
アテナが勝負を急ぐのには差し迫られた理由があり…!?
新神話第9弾は激闘の調べ!!
「なんか他の人たちの迷惑になったみたいだな。気をつけよう」
「ですが草薙護堂、今までの行動をかえりみて、改めるべき点はないように思えます。非がないのですから、気を遣わずともよいのでは?」
「でもリリアナさん、私たちが気づいていないだけかもしれませんよ? ……あ、もしかしたら、こんな道ばたで食事をしていたのが迷惑だったのではないでしょうか。通行の邪魔になってしまったのかも」
「同じように飲食している人間は何人もいる。その可能性は低いと思うが……。だが一応、気を遣ってみるか。食堂にでも移動して――」
食料を調達したあと、出店もない隅っこのスペースに移動していたのだが。
祐理の指摘にリリアナが提案し、護堂もうなずきかけた、そのとき。
「……あんたたち、何ボケボケな相談してるの? ツッコミなしのボケ三人でコントやってんじゃないんだから!」
威勢のいい声を聞いて、護堂は驚いた。彼女がここにいるとは完全に想定外だった。
振りむけば、怒っている様子の幼なじみ、徳永明日香が仁王立ちしていた。