ライトノベル レビュー

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運命は変えられる。

気持ちを近づけるユウとアレット。
しかしそれはカティアに距離を感じさせることに。
守ると誓った少年は少女に何を伝えるのか。
彼方の星で、恋と友情が交差する。
人造人間としてその力を狙われる少女・カティアを守ることを決意したユウ。
自らも失われた三つの<換象>である<改変>の能力者であることや、 精神の裡に宿る人格・チョールトの存在などの秘密を抱えながら学園生活を送る彼は、 生徒会長のアレットとの訓練を通じ、実力を伸ばしていた。
これに伴って無自覚ではあるもののアレットとの仲も接近する。
だがその様子を見たカティアは特異な存在である自分に引け目を感じ、 ユウを避けるようになってしまう。
そんな中、カティア捕縛の密命が下され、精兵中の精兵「驃騎兵(ユサール)」が動き始める。
さらにはカティアを保護するグロリアにもユウの秘密が明らかになって?
はるかかなたの物語第二幕、少年は誓いを守れるのか…!?

「でしたらこうすればいいのですよ、生徒マミヤ」
 グロリアはユウの空いている手をおもむろに握った。初めて触れた物理教師の手は柔らかくてひんやりしていた。
「どうですか、生徒マミヤ。これで『教師と先輩に引率される一年生の図』が完成しましたよ?誰も校則違反だとは思わないでしょう」
 いいえ、重度の校則違反であると愚考いたします。ユウは心の中で反論した。客観的に見れば「捕まって連行される宇宙人の図」に近いのだが、人目を引く絵面なのは疑うべくもない。ほかの生徒が今はいないとはいえ、目撃されたら大変な気がして顔色が青くなる。
 なのにアレットの方はアレットの方で、
「名案ですわ、教師レーナー」
 などと向日葵の微笑みを浮かべていた。どうも偽装工作が完璧になったと本気で信じているらしい。

novelauthor: 白川敏行

4086305976

2011/2/25

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