ライトノベル レビュー

剣の女王と烙印の仔 Ⅶ

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神々から授かった刻印の力をもって大陸を支配するの王侯貴族達に、少年少女が剣と知略を持って挑む。
MF文庫Jレーベルお得意のハーレム物展開とは一線を画す、ハードで重厚な展開のファンタジー戦記物第7巻。

ギリギリの戦いを制して進軍を続けるフランツェスカ率いる銀卵騎士団は、聖王国との休戦協定を結ぶべく、再び敵地へと赴く。
突然の休戦協定の背景には、第三勢力、女帝アナスタシアが治めるアンゴーラ帝国の侵略があった。
アンゴーラ帝国には、フランツェスカの仲間で......そしてスパイでもあった......ニコロが召喚されていた。
女帝アナスタシアは、女神テュケーの血を手に入れようと、シルヴィアを狙う。

知略と陰謀、戦場の泥臭さと美少女たちの可憐さを巧みに凝縮した良作。
前巻のラストでミネルヴァとクリスは互いの気持ちを確かめつつも、勝利の為に別々の道へと旅立った。
そのため作品に搭載されているラブ成分はお休み、かと思いきや最近もう一組の主人公格として頭角を現してきたジュリオ&シルヴィアの二人の活躍にも目が離せなくなってきた。

そして、クリスはとうとう最悪の敵に身体を乗っ取られてしまった。最大級の危機を前にシリーズはクライマックスへと向かう。

レビュー:2011/7/13

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そうやって、わたしたちは二人で、生き延びてきた。

刻印を戴いた王配侯ルキウスをその手にかけたミネルヴァとクリス。ついに二人の想いは繋がったが、次なる途を自分たちの手で切り開くため、別離の決意をした。一方、総主教選挙で人為による神の力を得たフランチェスカは、聖王国との休戦協定に呼び出される。罠を危惧するも、銀卵騎士団は再び動き出すことになる。そして行方不明になったシルヴィアのため自らの肉体を国王に明け渡し、前線へと行軍するジュリオだが......。「信じていてください。人の心の力を」「それが、人の戦いだから」神の力に抗う少年少女たちが紡ぐ、壮大なスケールのファンタジー、ついに佳境に突入!

novelauthor: 杉井光

4840138176

2011/2/25

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