ライトノベル レビュー

レビュー: 2011年2月 新刊

テンプテーション・クラウン

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「貴方を護りたい。......私を、貴方の傍にいさせてほしい」
少女の誓いが少年の世界を変えた。
あなたを魅惑する物語が始まる。
選定者。それはこの世界に墜ちた神や悪魔をその身に宿し、力を行使する者。
高校生・アキトはある日、悪魔・ゼファの力を得る。
ゼファの力はとても弱く、密やかなものだったが、アキトに劇的な変化をもたらすことに。
その力"魅惑"は最高の選定者・『王冠』の名を冠される美少女・ルヴィの心を虜にしてしまい、 さらにはルヴィの変化を良く思わずアキトに接触する『王冠』彩姫にまでにも影響が及ぶ。
アキトはどうにか力を解除して、現状を正常化しようとするのだが、 なし崩し的に少女たちとの同居生活が始まってしまう。
一方、ルヴィや彩姫に匹敵する"魔王"が街に来訪する。その秘めたる目的は...!?
荘厳なる力が導く物語が、今あなたを魅了する。

「彩姫よ」
 と、アキトに言った。
「これから私の事はそう呼びなさい。親愛を籠めてよ。あと、敬語も禁止。同い年だもの。それって変でしょう? その二つの条件が呑めるのなら、いいわ。止めてあげる」
「......わかったよ、ええと、彩姫」
 おっかなびっくりに名前を呼ぶと、彼女はふわっとした笑顔を浮かべて、
「ふふ、光栄に思いなさい。私を呼び捨てにしていいのなんて、この世界で貴方くらいなんだからね」
 なんて、弾んだ声で言った。
「むぅ」
 と、小さな唸り声が微かに聞こえる。
 ちらりと見ると、ルヴィが難しい顔で唇をやや尖らせていた。
 そして顔をあげた彼女は言った。
「わ、私も、ルヴィと命令するように呼んで欲しい」

剣の女王と烙印の仔 Ⅶ

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そうやって、わたしたちは二人で、生き延びてきた。

刻印を戴いた王配侯ルキウスをその手にかけたミネルヴァとクリス。ついに二人の想いは繋がったが、次なる途を自分たちの手で切り開くため、別離の決意をした。一方、総主教選挙で人為による神の力を得たフランチェスカは、聖王国との休戦協定に呼び出される。罠を危惧するも、銀卵騎士団は再び動き出すことになる。そして行方不明になったシルヴィアのため自らの肉体を国王に明け渡し、前線へと行軍するジュリオだが......。「信じていてください。人の心の力を」「それが、人の戦いだから」神の力に抗う少年少女たちが紡ぐ、壮大なスケールのファンタジー、ついに佳境に突入!

シティと賢人会議の歴史的同盟は、果たして実現するのか!?
 シティ・シンガポールと賢人会議の歴史的同盟締結を前に、凶弾に倒れてしまった参謀の真昼。厳重な警備が敷かれた病院に真昼は収容され、刻一刻と調印式の時間が迫りつつあった。様々な勢力の思惑が渦巻き、反対派が更なる妨害工作を仕掛けるなか、果たして調印式は無事執り行われるのか? 真昼の描く魔法士と人間が共存する未来の行方はどうなるのか!?
 そして、その一方、賢人会議の代表・サクラは、ウィッテンが書き残し真昼が隠していた地球を覆う「雲」を除去する方法を知ってしまう......。
 いよいよ佳境へと進む『ウィザーズ・ブレイン』、第15弾!