ライトノベル レビュー

ライトノベルの一ジャンルとしてハーレム物が溢れ返っている昨今だが、直球なタイトルがむしろすがすがしくて笑ってしまった。そして思わず購入。
タイトルを見れば大体どういう内容か想像がつくのは有る意味凄いかもしれない。
主人公がヒロインを助けすぎるあまり、主人公をめぐっての恋の鞘当でヒロインたちが争いあって世界がヤバイ──その通りの内容である。
ただし、物語はちゃんと主人公がヒロインを助けて活躍するエピソードから始まっているので、ヒロイン同士の本気の喧嘩と言うあまり見たくない光景はないので安心して欲しい。

物語は主人公である少年、波乱烈火が、16歳の誕生日と共に高校の入学式を迎える所から始まる。
彼が誕生日の祝いの席(?)と入学式で聞かされる驚きの運命とは──烈火の家系は代々『物語』に巻き込まれる波乱の血筋である、と言う事。
そして入学式に現れた少女アールは、自分は未来からやってきて、未来では烈火が無数に救って来た『物語』のヒロインたちが互いに争って世界が荒廃してしまったのだと告げる。
そう、黙示録は未来に起きてしまうらしい。そして、それを回避するためには、アール曰く「きちんと『ヒロイン』の誰かとくっついてもらって『全ての戦争』を未然に防ぐこと」なのだそうだ。

そしてその日のうちに、烈火は3人の少女と出会い、3つの世界の危機級の大事件に巻き込まれる。同時に。
普通なら一人ずつ攻略、一件ずつ一エピソードとして解決する所を3人同時攻略である。血筋恐るべし。

登場するヒロインは3人。
幼馴染兼魔法使いの大友皐月は長い黒髪の正統派ヒロインタイプ。
宇宙からきたと有る星の総督のお嬢様は、イリス・フィネリタス・サイファーコール。高飛車タイプだがツンデレと言うよりは素直に好意を示す事の出来る子の様。
そして、最後にはるばる異世界から勇者とまちがえて烈火を召喚してしまったのは、不幸属性を持った異世界の召喚師ハリッサ・ホウプ。

彼女らの身に迫った危険、それも時間的にも差し迫った危機から全員を同時に救う為に奔走し知恵を絞り、勇気を振るう烈火。
代役とは言え『物語』の主人公として、いや恐らくそれ以上の活躍を見せてくれる。

そんな八面六臂の活躍を見せた烈火に、3人のヒロインはお約束通りに惚れ込んで──結局アールの危惧していた通りのシチュエーションが形成され始めるのだ。
はたして、この作品は今後、2巻以降続いていくのだろうか。続くとすればやはり新しいヒロインが現れて更に混沌とした状況になっていくのだろうか。
恐らくこの作品の肝は、複数のまったく別の物語を強引に混ぜ合わせてパズルのように解決していくと言う点に有ると思う。
今後も続くなら、この路線で行ってもらいたい。

レビュー:2011/6/30

カテゴリ:

地球・宇宙・異世界のヒロインを、まとめて助ける物語!

波乱烈火は16歳の誕生日に「様々な女の子のピンチに巻き込まれる」という体質が開花する。さらにそこへ突然未来人が現れ、今後助ける女の子たちが将来烈火をめぐって大戦争を起こすと忠告してくる。だが、それでも烈火は少女たちのSOSを見過ごせず、結局全員まとめて助ける羽目に。――知略とバトルでヒロインを助けまくる大冒険、スタート!

novelauthor: なめこ印

4798602396

2011/6/1

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