ライトノベル レビュー

脳の生体信号をクロックアップすることで、現実の1000倍の速度で時間の流れる仮想現実世界へと入り込むことの出来る謎のゲーム"ブレイン・バースト"。
その世界で手に入れたものを守るために、主人公ハルユキ=シルバークロウは仮想現実の世界で戦う。その第8巻。

このシリーズの特徴として、毎回次巻に向けて物凄い展開で引く、と言う所が有り、今回もご多分に漏れず。
ハルユキの所属するレギオン(軍団)の相棒であり、幼馴染の親友でもあるタクム=シアンパイルは、捨て身の作戦で《ISSキット》と言うツールの謎を解こうとしていた。
タクムが自分の身を犠牲にしようとしている事を良しとしなかったハルユキは、彼を止めるためにデュエルを挑んだ──
と言うシーンからの続きである。

ハルユキの渾身の説得により、タクムは考えを改める事になるのだが、まだまだハルユキとレギオン《ネガ・ネビュラス》には解決するべき問題が山盛りである。

タクムのシアンパイルに取り付いたままの《ISSキット》の除去。
同じくシルバークロウに取り付いたままの《クロム・ディザスター》の浄化。
そのためには、最高難易度ダンジョン《帝城》に囚われたままの四埜宮謡操るアバター『アーダー・メイデン』を救出せねばならず、
一度は決行された救出作戦が失敗した際、同じく《帝城》に入り込んでしまったシルバークロウも共に外へと脱出しなければならない。
それが叶わなければ、シルバークロウは、賞金首として全てのバーストリンカーから狙われる立場になってしまう──
といった具合。

飽和気味なぐらいにミッションが山積している中、ハルユキはそれを一つ一つ解決してゆこうと奮闘する。
難題を解決する最中に確実に成長していくハルユキとシルバークロウ。新しい技を身につけるだけではなくて、精神的な成長も目覚しい。
もちろん、リアルでは美少女ぞろいの《ネガ・ネビュラス》の面々(例外のタクムはイケメンだが)とのハーレム気味のラブコメ展開も忘れては居ないが。

そして、《帝城》の中で出会った青い若武者アバター『トリリード・テトラオキサイド』と、彼の持つ《ジ・インフィニティ》の存在も気になる。
今回の《帝城脱出作戦》でその力の一旦を垣間見る事が出来るが、果たして彼が《ネガ・ネビュラス》に加わる日は来るのだろうか?

作戦が終わり、新たな力に目覚めたシルバークロウは無事に《帝城》の脱出を果たすが──

が。またここで恒例の超展開。次回に向けて激しい暗雲を雷鳴付きで立ち込めさせながら、次巻へと続くのである。

レビュー:2011/6/28

カテゴリ:

《最強のカタルシス》で送る、次世代青春エンタテイメント最新刊!

「着装......《ザ・ディスティニー》」
《ISSキット》に侵された《シアン・パイル》ことタクムへ、自分の思いを伝えるべく対戦(デュエル)を挑んだハルユキ。しかし、破格の力を得たタクムの前に、為す術もなく倒れる。
 体力ゲージが残り数ドットとなったハルユキだが、謎の山吹色のアバターの誘(いざな)いを起点に、《加速世界》最強の強化外装をジェネレートする。
「......それが、《災禍の鎧》本来の姿かい?」
 暗く妖しく笑うタクムを《ダークサイド》から引き戻し、再びチユリと三人で、明るく笑い合うために!!
 光の力を得た《クロウ》と、闇の力に染まった《パイル》、二人の心意が強く共鳴し合い、そして、激突した。
 それぞれの想いが絡み合い、ひとつの大きな物語へと収束したその先にあるものは──!

novelauthor: 川原 礫

4048705504

2011/6/10

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